フォレストコラム
林業へ携わるすべての方へ。林業における日本の現状や先進国の状況等お伝えいたします。
捨て伐採という日本林業の実態
今の林業用語に「捨て伐採」という言葉があります。
この言葉は、日本に於いてとても貴重な資源である木材をまさに無駄に捨ててしまう事を言います。
何故わざわざ伐採した木材を捨ててしますのか。非常に理解しがたい実態があります。
2年ほど前、私がよく通る国道沿いの山林1.5町歩ほどが伐採されました。50年生ぐらいの杉山です。
人目に付くところでの大規模な山林伐採など、ここ何十年も目にしたことが無かったため、非常に珍しく思える光景で、何度かその現場の前を通るたび興味をもって眺めていました。
国道に面しているため、大型トラックなどのアクセスは抜群に良く、しかも平らなので重機による作業性も非常に良い条件の場所です。大型のハーベスタも入り、あっという間に伐採は進んでいきました。大型の運搬トラックなどが出入りし、順調に搬出が進んでいくのだなと思っていました。
ところが数ヶ月すると伐採された現場に、結構な量の木材が積まれたまま残されていました。
末口(根元の切り口)30センチ以上の立派な木材が結構含まれています。
玉切りの寸法も統一され、いつでも運び出せるという状態のものも含まれています。
そのうち搬出されるのだろうと思っていましたが、冬になり雪が積もり、夏が来て草がぼうぼうになり、そして気が付けば無惨な状態になっていました。
これが、話には聞いていた捨て伐採かと実感した瞬間でした。
売りやすい規格の木材は搬出されたのでしょうが、その他の木材は捨てられる。
何故そうなるのか。日本林業における助成金の仕組みがそうさせていると言います。
つまり、せっかく数十年の月日をかけて育った樹木を木材資源として無駄なく活かすのではなく、樹木を効率よく伐採することだけに助成金が出ているのです。
大型機械を導入して、低コストで効率よく片っ端から伐採していく。そして、その伐採された樹木が無駄なく利用されることなど全く興味がないという、現場実態が見えてきます。
これは正に、森林資源の無駄遣いであり、環境破壊です。
今すぐストップさせなければなりません。
山に捨て去られた木材は、やがて腐敗し二酸化炭素を排出し続けます。全ての有機物に共通の事です。
いずれそうなるのであれば、その前に燃料として有効利用し、少しでも化石燃料の使用量を減らすことに利用する。これが木質バイオマスの考え方です。重量当たりの熱量換算で、木質燃料は石油や石炭などの化石燃料に比べて2倍の熱量があるそうです。
伐採した樹木をきれいに山からかたずけることにより、その場所にまた新たな植物が育ち、二酸化炭素を吸収してくれること。これが循環型林業の姿です。
大型機械で一気に大規模に効率的に施業するのではなく、山を見ながら小規模に選別的に施業することにより、無駄がなく継続的な林業構造を日本に構築することが急務です。
軽トラックやチェーンソー、小型エンジンウインチなどでも十分林業ができます。
そういう気運が日本全国に溢れ出す日が来ることを望んでいます。
書籍の紹介「小さい林業で稼ぐコツ」農文協編
9月29日に「小さい林業で稼ぐコツ」という本が、一般社団法人農山漁村文化協会から発刊されます。
事前の新聞広告でそれを知り、早速地元仙台の支部に問い合わせしたところ、発売前にもかかわらず販売していただきました。
この本は、題目にもある通り「小さい林業」すなわち、業者に依頼せずに自分たちで自分の山を施業することにフォーカスした内容になっております。別の言い方で「自伐型林業」などともいわれているものです。
軽トラックとチェーンソーでもあれば何とか出来るのではないかといった内容です。
最近増えている「定年帰林」や「新規就林」の方たちも意識した、これから始める初心者に分かりやすガイド本でもあります。
定年帰林
長いあいだ、実家の山を見て見ぬふりをせざるを得なかったけれども、定年をきっかけに山に入り、自分で木を切る人たち
新規就林
もう少し若い年代の人たちが、地方に移り住む場合も含めて、暮らしを成り立たせるための仕事の一つに林業を選ぶ人たち
(「小さい林業で稼ぐコツ」の本文より抜粋)
当社が販売している、小型エンジンウインチへの問い合わせも、半分以上は林業会社や電設関係のプロの方たちですが、もう半分は、先祖伝来の山林を受け継ぐ方々です。 木材市況の悪さから山林を長年放置し、気づけば豊富な蓄積量を持つ自分の山をこれから何とかしたいという思いの方々です。皆さん自分でやろうとしています。そんな時期に日本は来ています。
これから始める方々に是非読んでいただきたいと思い、ご紹介させていただきます。
「田舎の本屋さん」からもご購入できます。
VF155のロープの色が、グレーからグリーンに変更になりました
木質バイオマス発電が日本林業を救うのか
しかしながら、一旦途絶えたビジネスの流れは、作り直すのに時間がかかります。さらに、以前の日本とは需要構造が大きく異なります。かつて主力だった住宅建築は、少子化と家余りにより減少傾向の上、住宅の作り方が全く変わってしまったため、一戸あたりに使われる木材の使用量がとても少ないのです。
レポート紹介「わが国林業、木材産業の今後の可能性」
「わが国林業、木材産業の今後の可能性」(PDF)
これは、日本政策投資銀行により今年(平成29年)3月に発表されたレポートです。
わが国林業の現状と今後の可能性がコンパクトにまとめられた内容となっております。
我々、日本林業に関わる者また日本林業の将来を何とか明るいものにしたいと願う者にとって、非常に分かりやすい参考資料になっております。
是非広くご興味のある方にお読みいただきたいと思い、日本政策投資銀行様のご了承を頂き、掲載させていただきます。
ダブルフックへの仕様変更について
DOCMA社が製造し当社が販売しているフォレストウインチVF80とVF105は、標準では専用のバンドスリングを使用する仕様となっており、確実にしかも簡単に木の幹などに固定出来ます。
実際使ってみると、非常に便利です。多くのユーザー様にはこのままお使い頂いているのですが、稀にVF155の様に「ダブルフック仕様」で使いたいという方がいらっしゃいます。そういったご要望にお応えするために、オプションパーツとして「VF80・VF105用 ダブルフック」を提供しています。
これは、標準仕様のバンドスロットをダブルフック仕様に変更してしまうものです。勿論、また元の仕様に戻すことも簡単にできます。但し、重量が差し引き1.2kg重くなることをご留意ください。
取り付け方法を以下に図解いたしますので、取り付けの際の参考にしてください。
[取付にはリングプライヤーとスパナ(19ミリ)2本が必要です。]
エンジンウインチの取扱方法を掲載しました
ご購入時にカード決済(カード分割払い)ができます!
お待たせしました! 多数ご要望を頂いておりました、カード決済が使えるようになりました!
お客様がご契約しているカード会社の分割払いもご利用できます。
■クロネコヤマト 宅急便コレクト【30万円まで】
■クロネコヤマト WEBコレクト【100万円未満】
FAXでご注文いただいた後、弊社からクレジットカード払いの手続きが出来るご案内をメールでお送りいたします。
クロネコヤマトWEBコレクト決済サービスの手順に従ってカード番号等をご入力いただき、ご入金の確認次第、商品の発送となります。
自伐型林業に期待
2ストロークエンジンと4ストロークエンジン
当社のDOCMAウインチには、ドイツAL-CO社の2ストロークエンジンが搭載されております。排気ガスや騒音の問題などで4ストロークエンジンが有利な部分もありますが、2ストロークエンジンには小型軽量で高いパワーが得られるなどの利点があります。 特にこの2ストロークエンジンは、混合燃料のオイル比率を2%(50:1)に抑えるなど環境に配慮した設計になっております。
このエンジンは安定してパワフルに回り続けることが使命です。そして自動ブレーキがそれを補助します。エンジンが仮に停止しても、このウインチはロープを緩めません。 他社の類似ウインチには、この様なブレーキ機構を備えていないものも見受けられます。
ただし、ガス欠には注意してくださいね。大切な時間をロスしてしまいます。 作業前に給油チェックは必ず行いましょう。