フォレストコラム
林業へ携わるすべての方へ。林業における日本の現状や先進国の状況等お伝えいたします。
ウッドショック?
実際に、地元の建築会社でも木材価格の高騰と在庫不足が問題になっていることを聞きますし、鉄骨系の建設会社などは引き合いが倍増して大変だと言っております。本当にそうなのでしょう。メディア情報によると、海外からの輸入材の値段が1年前の3倍とか5倍になっているとのことです。日本の山出しの木材価格もそうなっていれば嬉しいことです。
でも、地元の山に目を向けると、あまり伐採現場を見かけることはありません。
伐期を迎えた山林が静かに佇んでいます。
その杉の木が一町歩の山に1000本ぐらいあるわけです。それが好きなときに売れたのです。銀行預金と一緒だなと、子供ながらに思いました。物価水準を考えると、かなり恵まれた時代でした。
あれから50年以上経ち、あの頃父が植林してくれた杉林が立派に成長し、手入れはしていませんが見事な樹木が立ち並んでいます。同じような樹齢の近隣の杉林も含めるとものすごい蓄積量です。
しかし、それが今は簡単にお金に変わることはありません。過去の旺盛な国内需要のなかで高値で取引された時代が過ぎ、長い保育期に入ってしまった日本に於いて今まで安すぎた価格が上がる気配はまだありません。サプライチェーンが不十分な今は、世間ではウッドショックと言われても、買いの動きが出てくるまでにまだ時間がかかるのでしょう。
軽架線システムのご紹介
岐阜県に森の機械株式会社という会社があります。
この会社は、山仕事に便利な機械を開発して販売するという、日本の林業が抱える大問題の解決に取り組んでおられます。
勝手ながら、当社と非常に似たポリシーの会社だと思っております。
その森の機械さんは、HANAKOという名前の軽架線システムを使って手軽に使える機器を開発され、小規模施業向けに販売されています。
これは、とても興味深い林業用機器です。
従来、林業で言う架線システムは、大型エンジンの付いた集材機を据え付け、山と山を跨ぐような大規模施業のやり方です。
それこそ、山全部丸裸にするシステムです。
大掛かりゆえ、大量の木材を出さないと合わなかったのです。
大規模な伐採は、山を壊します。
そして、山崩れや鉄砲水などの災害をもたらします。
今や絶対にやってはいけない林業です。
それに対し、適正間伐を中心とした小規模林業は、美しい山を作ります。
災害に強く、自然景観を守ります。
そして、実は儲かります。
そもそも山に育っている樹木は値段の付く立派な商品素材です。
売れば売上は上がりますから、外注コストや大型機械の償却がなければ、つまり、払いが少なければ必ず利益は残ります。
経費がどこに行くかが問題なのです。
自分に残せば良いのです。
その意味で、小規模施業の自伐型林業は、今後の林業の本命だと思っています。
植林をせずに材積を増やし続け、長年をかけて売り上げていく。
これが理想の姿ではないでしょうか。
「軽架線システムの索張り」は、林業の初心者でも解るように森の機械株式会社の広瀬社長がまとめられたガイドブックです。
参考資料として是非一読いただきたく、ここにご紹介させていただきます。
軽架線システムの索張りPDF
小型エンジンウインチを使った木材の積込【動画あり】
スキー場の取水口周りの支障木を切ったもので、2mの玉切りで100本ほどになります。売っても安いし、利用予定もないと言うことで、要らないかとお声がけいただきました。
場所は、国道から少し斜面を降りたところでアスセスは良いのですが、傾斜がある土の斜面です。2輪駆動のトラックでは、明らかに無理です。
いつもの建機リース店にも4駆のトラックは置いていないと言うことなので、外注はせず自家用の4駆の軽トラックを使い自分たちで運ぶことにしました。
太いもので直径60センチほどもあるので、一度にせいぜい5本ぐらいしか積めません。
1本積み込むのに1分もかからないので、この小型エンジンウインチの働きには大満足です。
これが無かったら人力だけではとても無理な作業ですね。
とにかく、小型エンジンウインチと滑車を活用すれば、大概のことは出来ます。
この良さを多くの人に知ってもらいたいと思っています。
ぜひ動画もご覧ください。
ユンボを横転事故から救出!【小型エンジンウインチでの引き起こし動画あり】
当社は、林業機械の販売に並行して、日本の林業を勉強するため小規模ながら実際の林業を実践しています。
手始めに、宮城県川崎町に樹齢60年20町歩の広葉樹林を取得し、広葉樹の伐採と搬出を行っています。
これは、森林組合や林業会社などのいわゆるプロに外注してお任せするのではなく、当社の社員及び関係者だけで行っています。
自伐型林業推進協会にも加盟し、プロの指導をいただきながら、作業道の作設と伐採・搬出を施業し、ちゃんと利益が取れる林業を実現するための挑戦です。
作業道作りと搬出作業には大活躍のユンボ君ですが、言うまでもなく使用には十分な注意が必要です。
あまりの便利さに少し慣れと油断があったのかもしれません。
先日の作業終了直前に、横転事故を起こしてしましました。
縦方向はアームを使ったり排土板で踏ん張ったりも出来ますが、横方向のバランスは特に注意が必要です。
横転事故も常に念頭にあり、横傾斜やクローラーの踏み外しには細心の注意を払っていました。
しかし、右前方にあった支障木をワイヤーを使った横旋回で無理に引き出そうとした際、微妙な横傾斜と一気呵成の操作で簡単にバランスを失い横転してしましました。
幸いケガもなく済んだのですが、状況が悪ければ死亡事故になっていたかもしれない重大ミスです。
横転の状況は、作業道法面に頭を下げる形で、およそ120度ほど傾きました。
人力ではどうしようもなく、翌日何とかすべくその日は終了としました。
この小型エンジンウインチはイタリアのDOCMA社製でたったの54ccの2ストロークエンジンで駆動します。
牽引力は1050kgおよそ1トンありますが、重さ3.5トンの重機を引き上げるには非力です。
なおかつ、角度が悪くとても難しい作業条件です。
これで救出出来なければ、大型重機を依頼するしかないでしょう。
牽引角度を何箇所か変えながら引いては見るのですが、全然無理です。
少しは動くのですが、何度やってもそこから全く動かず、ロープがスリップしてしまいます。
すると、何ということでしょう、我がVF105エンジンウインチはグイグイ巻き続け、3.5トンのユンボの引き起こしをやってのけました。
それも、引き起こしのピークで簡単に止めたり引きの微調整ができる使いやすさです。
一気に引きすぎると勢いでユンボが強く地面に落ちてしまい、大きなダメージが心配されます。
ピークで一旦引きを止め、ほんの少しずつ引き、ユンボの自然落下を待ちました。
一晩逆さになっていたため、エンジンのシリンダーに燃料やオイルが溜まっているはずです。
慎重に何度も空クランキングして燃料を排除し、エンジンを再始動しました。
大量の白煙を吐きましたが、すべて正常に動作することを確認しました。
この小型エンジンウインチは、使い方によって様々な役立て方があると実感した貴重な体験となりました。
また、理論的には知ってはいても、動滑車を多用して4倍力や6倍力とすることで大きな力を発揮できることを目の当たりにしました。
これは本当に収穫でした。
この小型エンジンウインチが様々なシーンで活躍できることを確信しています。
是非多くの方々に体験してほしいと思います。
林業現場には常に危険が隠れています。
十分以上の注意と慎重さ、そして適切な機械を適切に使用することで安全マージンを十分に確保することが重要であると感じました。
今後の絶対安全を誓った貴重な1日となりました。
AUSTROFOMA2019に行ってきました
10月8日から10日までオーストリアで開催される林業機械展「AUSTROFOMA2019」に行ってきました。
このショーは、林業大国であるオーストリアで4年に一度開催される林業機械展示会です。
同じく4年に一度スェーデンで開催される「エルミアWOOD」と同様に世界的に注目される、大規模なものです。
エルミアなどとは異なり、オーストリア国内で毎回場所を移動して行われているようです。
今年の会場は、首都のウイーン(現地ではヴィエナと呼びます)から車で1時間ほどの山の中です。
グーグルマップを頼りに、宿泊してるホテルから車で高速道路を飛ばし、最寄りのインターチェンジを降りたところが来場者駐車場でした。9時半頃到着したのですが、既に駐車場はほぼ埋まっており、入場券を購入する長い列が出来ていました。
列に並び、入場料を現金で払うとオレンジ色のヘルメットと布製のバッグが渡されます。
(インターネットで事前購入出来ますが、現地ではクレジットカードが使えません)
このイベントマーク入りのヘルメットが入場券代わりとなり、入り口でチェックされます。
ですから、会場中どこにいっても来場者はお揃いのヘルメットをかぶっています。
食事用の大型テントの中も同様で、同じ学校の学食の様です。
その特徴は、実際の森林の中で最新の林業機械が実演されるということです。
ハーベスタなどの高性能林業機械による伐倒に始まり、ケーブルラインや高走破性フォワーダ、大型トラック積載の移動型チッパーなど、林業全般に渡る作業現場再現の実演展示会です。
この日のために5キロの林道が整備され、その沿道が各社の展示場所になります。
坂道などは木のチップが敷き詰められ、ふかふかでとても歩きやすく感じました。
また、少し離れた別会場の古城の周りには、大型機械を中心にした第2会場があり、食堂や売店など大いに賑わっていました。
オーストリアの林業は黒字産業と言われています。
つまり、儲かるビジネスです。
そのために考え抜かれています。
作業道も4m幅が基準で、山に10t車を入れます。
そして、Uターンの必要のない路網になっています。
しかしながら、日本の人口1億3000万人に対して、800万人の小国です。
参考にはしても真似はできません。
日本式の儲かる林業を一緒に作っていきましょう。
大船渡作業道事前勉強会
5月12日(日)、大船渡日頃市町の私有山林内において、作業道作設の勉強会が開催され、参加してきました。
これは、翌週18・19日に同じ場所で開催される、「橋本光治先生による作業道作設研修会」の事前勉強会として企画されたものです。
東北・広域森林マネジメント機構の三木さんが幹事となり、同氏が個人的に組織している施業グループが実際に作業している現場を会場として、橋本先生の研修会の前に知識と経験を少しでも深めておこうとの目的で行われました。
私は翌週末、重機免許の講習と重なっており不参加となるため、是非現場見学をしたいということもあり、参加することにしました。
この場所は、その施業グループのメンバーで所有者の方が管理する100町歩の人工林です。
当日、9時に鷹生ダム管理事務所に集合したのは、東京からの参加者も含めて男女15名ほど。
皆さん林業に関係する方々ではありますが、山林所有者だけではなく、山林管理に興味がある方や木質エネルギーのコンサルタントなど幅広い方々でした。
メンバー3人の内、主に施業されるのは2人だそうで、昨年はほぼ2人で300mの道付けを行ったとの事でした。
作業道全部を歩いて説明いただきましたが、これが重機未経験者でも出来たのかと、とても驚いてしまいました。木組みなど難しい部分は橋本先生が施行したとのことでしたが、概ね立派に出来上がっていました。
作業道の説明や細かい解説を頂いた後は、実際にユンボの作業実演です。
当日の作業実演は5~6mの距離なのですが、まったく道のないただの斜面に道が付いていく様は、感動的です。直前までただの山林の斜面だったところが、クルマも通れる道が出来ていくことで、全く違った場所になっていきます。全く価値の違った、高付加価値の場所になっていきます。
道がなければ山に価値は生まれない、まさにそう実感する勉強会でした。
これから同じようなことをやろうとしている者として、大いに参考になるそして少し自信になる勉強会でした。
オッフェンバーグ林業機械展視察
3月29日から31日までドイツ南西部のオッフェンバーグという町(Messe Offenburg)でForstliveという林業機械展が開催され、視察に行ってきました。
オッフェンバーグは、ドイツ南西部に位置し、スイスを起源とする大河ライン川を挟んでフランスと国境を接する、人口6万人ほどの地方都市です。
ライン川を渡り、対岸のフランスアルザス地方の中心地ストラスブールまで20キロほどの距離です。
ドイツ南西部のこのエリアはシュバルツバルド(黒い森)と呼ばれ、かつてドイツトウヒが地域全体に植林された地域です。黒い森信仰もあるらしく、広大な山全体がきれいに管理されています。そして林業が非常に盛んです。
フランクフルト国際空港から早朝レンタカーでアウトバーンを2時間ほど、滞在予定のホテルには朝の9時半には着いてしまいました。
ホテルのあるオールスバッハの村は、丘の斜面にたたずむ小さなかわいい集落です。
会場のオッフェンバーグからクルマで15分のところにあり、どうせ泊まるなら町中よりも田舎に泊まりたいと思い、予約しました。
村にはお店などあまりなく、ちょうど隣におしゃれなパン屋さんがあったので、遅めの朝食をここでいただきました。ドイツはとにかくパンが美味しい国です。本当に美味い!ただしそれだけ。
夕食はだめです、期待はずれも良いところで、日本の食レベルの高さを痛感します。
毎朝、二軒隣りにある教会の鐘が6時から鳴り出し、心地良い目覚めで一日が始まります。
Forstliveはやはり2年に一度、同会場で開催される地元色が強い林業機械展示会です。
地元ドイツはもとより、隣国のオーストリアやイタリア、スロベニア、フランスなどの林業機械メーカーが多数出展していました。出展数は350社ほどで、日本最大級の林業機械展と同じ規模です。
2日行ったのですが、会場内では日本人はもとより東洋人には出会いませんでした。
もっと有名な展示会だと、日本からもツアーを組んでたくさんの人が行くのでしょうが、ここは全く異なり、来場者は地元の林業関係者と思しき人達のみで、まさにドイツを堪能しました。
ズバリ目的は2つ。メインは、今度購入予定のオーストリアBINDERBERGER社のブースを訪問し、選定機種の確認と、輸出担当者との面談打合せです。メールでやり取りしているLoffler氏と直接会い、具体的な部分での確認と人間関係を作り、今後のビジネス展開の基礎固めをしたかったのです。
2つ目は、新たな取引先の開拓です。
出会いました!
日本市場で、ものすごく可能性のある製品だと思います。(詳細は後日発表します)
ヨーロッパには日本に無い優れた林業機械が多種多様に存在します。
これは、ヨーロッパの林業が日本のように長い空白期間を作らず、ずっと継続的に続けてきた結果です。林業ビジネスをより良いものにするために、徹底的に機械化が進んでいるのです。
それは、まず安全であり、そして省力化と生産性が追求されています。
それが確実に遅れてしまった日本林業に対して、明確な答えが示されていると言っていいでしょう。
日本の森林は総じて利用期に入ったと言われています。
人口減少や就業者の高齢化、環境を意識した持続的エネルギー利用等々、身近なところから解決できるいとぐちがあるとはずです。
ヨーロッパの林業を参考にしつつ、これからの日本林業のあり方を考えていきたいと思っています。
レンタカーでドイツからフランスへ日帰り弾丸ドライブ
フランクフルトに5日間滞在する中で、メインの目的はMESSEで開催されているISHの視察なのですが、しっかり収穫を得たので予備日を観光に当てました。
レンタカーでフランクフルトからかの有名なアウトバーンをかっ飛ばし、ライン川を超えてフランスのアルザス地方までの日帰りドライブです。
途中、次回の出張で訪問予定のオルスバーグ近郊を通るので、その下見を兼ねています。
目的地は、フランスアルザス地方の中心地コルマールです。
フランクフルトから約300km、仙台から東京へ行くぐらいの距離感ですが、所要時間は3時間半ぐらいでした。朝ごはんをフランクフルトのホテルで食べて、コルマールで昼ごはんという感じです。
初めてアウトバーンを運転したのですが、とにかくハイスピードです。
イタリアもフランスも日本より平均的な運転スピードがかなり速いですが、アウトバーンは別次元ですし走行マナーもかなり違います。
アウトバーンは、ドイツ国内を網羅する言わずと知れた制限速度無制限のフリーウェイ(無料高速道路)です。
アウトバーンの走行車線(通常3車線中、真ん中の車線)の通常走行速度は、条件が良いところだと時速150キロに達します。追い越し車線ではありません。その左側の追い越し車線を、それよりもかなり速い速度で次々と抜き去っていきます。都市部に近づくと車線が5車線以上になったり、制限速度が110キロぐらいに規制がかかりますが、いざ郊外になるとほぼ3車線になり、速度無制限区間が始まります。
イタリアやフランスの高速道路が制限速度130キロなので、アウトバーンに比べるとかなり穏やかです。ただ、アウトバーンで感心したのは、その走行マナーです。どんなに飛ばして追い越し車線を走っていても、抜き去って前が空くと必ず真ん中の走行車線に戻ります。そして、後ろが来ないのを確認するとまた追い越し車線に戻り、凄まじいスピードで消えていきます。たまに時速200キロ以上の車があっという間に駆け抜けていくのを邪魔しないためだと思います。
日本と違い、チョット車間距離のない状態で割り込んできても、クラクションを鳴らしたり怒ったりする光景はありません。それは当たり前のことなのでしょう。
とにかくアクセルべた踏みで少燃費運転ではないですね。
ドイツとフランスは同じEUのなので、国境検問はありません。
ライン川の橋の上が国境なのですが、何事もなくフランスのストラスブールに入ってしまします。
アウトバーンの看板にパリ方面の文字を見つけたときは、ヨーロッパの大地を感じました。
フランスに入りストラスブールを通過し、目的のコルマールはすぐです。
アルザス地方というと山岳地帯を想像していたのですが、意外に平坦な丘陵地帯でした。
のどかな田園と美しい村々が点在する地方です。
ライン川にほど近く、豊かな恵みがあるのでしょう。
帰り道、美しい村リボヴィレにも立ち寄りました。
コルマールからクルマで15分ほどです。
小さなかわいいホテルが立ち並び、有名なワイナリーがある村です。
そのワインが美味しくて安い。
是非オススメしたいところです。
フランクフルトへついたのは、夕闇の中8時過ぎでした。
内容盛りだくさんの弾丸ドライブとなりました。
フランクフルトのISHに行ってきました
3月13日から17日までフランクフルトのメッセ(Messe Frankfurt)でISHが開催され、今後の勉強のため視察に行ってきました。
ISHとは2年に一度、同会場で開催される「水とエネルギーに関する世界的な展示会」です。
同じ様なテーマの展示会としては、世界最大級だと思います。
東京ビッグサイトぐらいの展示館がテーマごとに1号館から12号館まであり、中空の連絡通路でつながっています。連絡通路の殆どに動く歩道が設置されており、移動距離はかなりのものです。
私が興味を持って見て回ったのは、そのうち2つの建物で開催されていた木質エネルギーに関わるものです。
燃料の形態で分けると、薪・木質ペレット・ウッドチップの3種類です。
器具の形態で分けると、ストーブとボイラーになると思います。
それらの組み合わせで、多くの会社が多彩なバリエーションを提案していました。
さすがに、木質エネルギーの利用率が30%をこえるヨーロッパならではの賑わいです。
地元のドイツやオーストリア・イタリアの他に、スペインやスロベニアに加えトルコ・ギリシャ・スロバキア・チェコなど、かなりレベルの高い製品を展示していました。
日本の展示会ではあり得ない光景です。
木質エネルギーとは別ですがアジア館もあり、インドやマレーシア・中国・韓国の会社が出店していました。
日本のTOTOやダイキン・クボタ・三菱電機などは、世界的メーカーとしてアジア館ではなく、一般の展示館で大きなブースを展開しておりました。
今回のトピックスとしては、日本未進出のイタリアのストーブメーカーから熱心な販売代理店のお話を頂いております。
ビジネスチャンスを広げる場として、大変おもしろい視察となりました。
樹木の放射能検査を行いました
当社は、日本における木質バイオマスエネルギーの普及促進を是と考えます。
そして、当社の所在する仙台市の隣の川崎町に山林を所有しています。
東日本大震災以降、薪ストーブ利用者は増加の一途です。
以前は、経済的にゆとりのある年配者の嗜好品的な存在でしたが、アウトドアライフ好きのヤングファミリーを中心に、新築戸建住宅の30%の方が設置を検討するそうです。
仙台だけでも10軒ぐらいの薪ストーブ販売店があります。
各薪ストーブ販売店は、年間20~30台の薪ストーブを新たに販売しています。
それ以外に、大型ホームセンターでも施工も含めた販売がされています。
薪ストーブを購入する人は、その半分が自分で薪を調達できる人々です。
残りの半分の人々は、外部からの購入に頼っています。
薪ストーブライフを楽しみたい方々に、安定してリーズナブルに高品質の薪を供給できないか計画中です。
義務では無いのですが、林野庁から薪の放射能に関するガイドラインが示されています。
調理加熱用の薪及び木炭の当面の指標.pdf
林野庁の当該ページはこちら
これは、あくまでも推奨で義務ではありません。
ですが、試しに今後想定している川崎町の広葉樹林で試験木を伐採し、放射能検査を行いました。
伐採した試験木は、根本で50センチ径、高さ20メートルのミズナラの大木です。
樹齢は推定60年です。
その樹木を、チェーンソーで長さ45センチの玉切りにし、大きなレジ袋いっぱいの木くずを採取しました。チェーンソーの切断カスです。
ついでに軽トラック満載で2台分の薪も出来ました。
早速、採取した木くずを宮城県公衆衛生協会に持ち込み放射能検査を依頼し、後日その結果を得ました。
結果は、すべて「検出されず」でした。
ある程度予想していたとはいえ、しっかりした確認が取れて良かったと思います。
大震災直後、同じエリアで山菜のわらびの検査をしたことがあるのですが、そのときは7ベクレルでした。青果市場の基準が50ベクレルなので、十分低い値です。
あれから7年たち、現在はもっと低い値になっていると思います。
樹木の放射能に関して、宮城県川崎町エリアは、全く問題ないと言っていいでしょう。
場所の問題や、人員・設備など諸条件が整えば、薪の生産販売事業を開始したいと考えています。