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フォレストコラム

林業へ携わるすべての方へ。林業における日本の現状や先進国の状況等お伝えいたします。

木質バイオマス発電について思うこと

日本の国土の68%が森林であり、その森林が年々太り続け、あまり利用されないまま放置されている現状は、国家的大問題です。
近年国策でFITという電力買取価格が策定され、その最も高い買取価格@40円/kwh(発電量2000kwh未満)が除間伐由来の木質バイオマス発電に適用されています。それにより、全国で220ヶ所以上の木質バイオマス発電所が計画または運用が開始されております。
当初の太陽光発電もこの価格でしたが、最近ではその半額の@20円というレベルになり、勢いは完全に衰えました。しかしながら、木質バイオマス発電においては、まだまだこれからの感じです。

先日、私の地元に小型の木質バイオマス発電システムが設置されたということを聞き、見学させてもらいました。
フィンランドのVOLTER社が製造している、VOLTER40というものです。
その名が示すように、発電量が40kwhの超小型システムでガスエンジン方式です。一般家庭およそ70軒分の電力を発電します。
木質バイオマス発電には、およそ二つの方式があります。
直接燃焼発電(蒸気タービン方式)とガス化発電です。
ガス化エンジン発電は、蒸気タービン発電の2倍のエネルギー効率があると言われ、小規模発電システム向きです。
フォレストサプライ_木質バイオマス発電システム
最初は日本の森林問題を解決する有望な方法かと思っていましたが、色々説明を聞いているうちに、少しネガティブな気持ちになってきました。
その問題点とは、
フル稼働して40kwhの発電をするには、毎日1トンの木材を消費すること。
こんな小さなシステムで、年間350トンの木材を使ってしまいます。
因みに、気仙沼のリアスの森さんは、800kwhの発電をしています。
単純計算で、毎日20トン必要です。
これでは、下手をすると山は荒れてしまいます。
美しい森林を維持し、継続的な循環型のエネルギーとは言えなくなります。
そのエネルギー効率は25%で、同時に100kwh相当の熱エネルギーが出ること。
つまり、熱エネルギーを有効利用できないと、薪ストーブの70%に比べるとそのエネルギー効率は遠く及ばない。

やっぱり薪で使うのが一番いいのか。
最近作ったファイヤーサークルで、一人焚き火をしながら考えてしまいした。
フォレストサプライ_ファイヤーサークルで一人焚き火

かかり木処理の動画を掲載しました

当社が販売する、イタリア製超小型エンジンウインチは、多方面に応用され、建設現場等でも利用されておりますが、主な用途は林業用です。

その林業用途での代表的な使われ方は、主に4つあります。
伐採現場での牽引搬出(集材)
トラックへの積み込み
伐倒補助(狙った方向への牽引伐採)
かかり木の処理
などです。

特にかかり木の処理は、大変危険な作業と言われております。
とっさの予想外の動きに対応が取れず、事故に巻き込まれてしまう恐れが大いにあります。
処理の仕方も臨機応変となり、豊富な経験と高い技量が必要とされます。
安全を確保するためには、とにかく材から離れておくことが何よりも重要です。

ウインチを使用して、かかり木の処理ができます
その点、当社の小型エンジンウインチを使った作業は遠隔作業となり、かつ力作業を機械に任せるため、周囲に注意を十分に払う余裕が生まれます。
材からの距離が取れる上、状況観察が広範囲に取れるため、結果的に安全マージンが大幅に生まれ、低労力・安全確保に加えて短時間作業という大きなメリットをもたらします。

処理方法も、引き倒し以外にバンドを使ったネジリ倒しやツルを切って元口から引くなど、人手だけでは到底無理な仕事を安全にこなします。

是非、現場でご体感ください。