フォレストコラム
林業へ携わるすべての方へ。林業における日本の現状や先進国の状況等お伝えいたします。
木質バイオマス発電が日本林業を救うのか
日本では、戦後の旺盛な木材需要と木材価格の高騰を背景に、殆どの木材資源が消費しつくされました。
今から50~70年前、山林主は目先の一時的な金銭に舞い踊ったのです。
規模は小さいながらも、私の生まれた家もそんな時代の波の中にあった林業を営む家でした。
切りつくされた山に、植林が実施されました。その殆どが当時の林野庁が推奨する杉でした。元々の植林地はもちろんですが、原生する雑木山も伐採されて植林地が拡大され、こんなところまで植えるのかという急斜面まで植林されました。
しかしながら、一旦途絶えたビジネスの流れは、作り直すのに時間がかかります。さらに、以前の日本とは需要構造が大きく異なります。かつて主力だった住宅建築は、少子化と家余りにより減少傾向の上、住宅の作り方が全く変わってしまったため、一戸あたりに使われる木材の使用量がとても少ないのです。
この膨大な森林資源を上手に生かす方法はないのか。
いま、木質バイオマス発電が注目されています。
日本全国に230ヶ所ほどの木質バイオマス発電所が計画され、一部はすでに商業稼働しています。
これは、材木を小さなチップに粉砕し、それをエネルギーにして発電するものです。
熱エネルギーで換算すると、石油などの化石燃料に比べて、30%以上割安な燃料と言われています。