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フォレストコラム

林業へ携わるすべての方へ。林業における日本の現状や先進国の状況等お伝えいたします。

自伐型林業に期待

去る6月6日仙台の地元紙、河北新報の朝刊に一面を使って特集記事が組まれました。 「山から始まる地域循環社会」と題されたその内容は、今の日本林業が抱える問題に明らかな光明を与える非常にインパクトのある内容でした。 林業を営む家に生まれ、その衰退ぶりを肌で感じながら育ってきた私にとって、心躍る新たな林業時代が幕を開けたと実感するものでありました。 自伐型林業推進協会代表の中嶋健造氏によると、日本の農地面積比率が国土全体の1%に過ぎないのに比べ、森林面積はその70倍の70%に及ぶと言います。 長年、日本林業が経済的に低迷してきたため、今の日本には伐期を迎えた手入れのされていない膨大な森林が存在しています。世界的にも価値のあるこの森林財産を、過去の過ちに学び、今度は継続的に大事に維持管理し実りある林業として運営していく。その入り口に我々は立っていると思います。 そして、その中心的存在が自伐型林業だというのです。 中嶋氏いわく、自伐型林業とは、決まった山に寄り添い、継続的持続的に林業を生業として住み続ける林業形態の事です。これこそが今後の日本林業の王道だとも言います。 専業事業体に委託して大規模に伐採施業するこれまで主流だったやり方に対して極めて小規模な事業形態ですが、既にヨーロッパでは主流であり、日本よりも悪い条件の森林から遥かに高い生産性と収益性を生み出しています。 むやみに広い林道を作ったりせず、山になるべくダメージを与えない林業、そしてはげ山を作らない持続的な林業、そして何よりもそれで食っていける林業、それが求められています。 その答えは中嶋氏の唱える自伐型林業の先にあると思います。 一日でも早く自伐型林業が日本林業の主流になる事を切に望みます。